WX310Kミュージックプレイヤー使用感 [ウィルコム]
はじめに
WX310Kにミュージックプレイヤーが追加されて実際に屋外や移動中で使ったり自宅のヘッドホンなど使いこんでみた。今回は全体の使用感や、ATRAC3Plusを中心にビットレートの違いによる音質の差などをお伝えしようと思う。聴いたジャンルは1曲が女性ボーカルのポップス、もう1曲が小編成の弦楽アンサンブル、もう1曲がフュージョンだ。
再生にはオーディオテクニカの平形-ピンプラグの変換ケーブル「AT3A30T/0.6」を使い、AKG 「K240S」とゼンハイザー 「HD 580」を用いた。また参考として外出用を想定してその辺に転がっていた2000円程度のポータブルヘッドホンを使っても視聴した。
もちろんだが、この結果は私の個人的な感想である。音楽についての好みや使うヘッドホン、また個人の音質の感覚は各々違ってくるのは当然なので、あくまでも参考程度に思っていただければ幸いである。
■全体の使用感
何しろあの京セラ製のソフトウェアと言うことで、ある程度の使いにくさを覚悟していたのだが、動作も特に遅くなく操作の仕方もわかりやすい。また転送時に指定したアーティストやアルバム名、ジャンル名などによるリスト表示が可能で、そのリスト単位での音楽の再生も可能となっている。
イコライザはあくまでもオマケ程度と考えて良い。一曲のリピートやリスト単位のリピート、シャッフル再生もあり再生方法に関しては、必要最低限の機能は備わっている。
曲の早送りは私の環境だと実時間の7~8倍程度の速さで送りが可能だ。5分程度の曲ならば十分だが、1時間単位の録音したラジオなどを途中から聴こうとすると骨が折れる。一気に時間を指定して曲の途中から聴くことができるような機能が追加されれば良いと思った。
音質についてはヘッドホンで聴く限り十分及第点を与えられると思う。高いビットレートできちんとそれなりのヘッドホンで聴けば、低音域は落ち込むものの、ポータブルCDプレイヤー等で,mp3を再生するのとそれほど遜色のない結果が得られる。むしろ下手なパソコンのオンボードサウンドカードにヘッドホンを直差しするよりも周波数特性は自然だし、S/Nも悪くない。もちろんきちんとしたオーディオ機器と比べると総合的な再生能力は落ちるが、この手の機器としてはかなり健闘しているのではないか。個人的にはこれならメインでの使用に耐えうると思う。
ここからはATRAC3Plusで、同一の音楽ソースを再生したときの差を紹介したいと思う。私もmp3の音質についてはある程度経験があるが、今回このコーデックを使用するのは初めてだった。これから私のように初めてATRAC3Plusを使う人の参考になればと思う。
●48kbps
出だしの音で圧縮された音楽だと言うことが分かる。圧縮されたときに一般的に劣化がわかりやすいシンバルやストリングス等の音だけではなく、鳴っている音全体が歪んでおり、その音自体もスカスカな印象だ。個人的にはちょっと聞き続けるのは厳しい音質だ。
●64kbps
このあたりでも5秒も聴いていれば圧縮の際に劣化したところが至るところで耳につく。WX310K自体の内蔵スピーカーでは気にならない程度にはなるが、ヘッドホン経由ではまだ音楽としては破綻している印象だ。楽器の定位が、本来あるべき場所からずれたところから聞こえたり、バランスもかなり悪い。2000円ヘッドホンでも音質の悪さは十分分かってしまう。
●96kbps
ようやく圧縮された音楽特有の金属が擦れたような音は減り、鳴っている音自体に芯が通るようにはなっている。だが、アコースティックギターのカッティングや、バイオリンの音などはまだシャリシャリとした音がする。音自体にはボリュームは出てきている物の、前後の定位感を感じられるほどではない。このあたりから2000円ヘッドホンでは十分使用に耐えうる音質と感じられる。
●128kbps
個人的にヘッドホンで音楽を聴く場合として妥協できるのはこのあたりの圧縮率だ。確かにATRAC3Plusは、mp3より圧縮音楽特有のシャリシャリとしたノイズは少ないが、音楽的に迫力や空気感を付与するための周波数バランスや、定位感を表現するのがAAC等のコーデックに比べると随分苦手だという印象を受けた。聞き込んだ音楽だとジャンルによっては圧縮された音を不快に感じてしまうことがある。
ただしメインのヘッドホンでは音質がオリジナルより劣化していることは分かるが、2000円ヘッドホンでは私には音の劣化について判別がつかない。
●160kbps
これ以上のビットレートになるとWX310Kのハードの限界か、メインのヘッドホンでもよほど聞き比べないと、よりオリジナルに近い200Kbps以上のビットレートと差が分からない程度になる。外で聴く分には十分な音質といえるだろう。
■結論
多くの他氏がネットで評価しているように、同ビットレートではATRAC3PlusはAACやOGGに比べると総合的に「音が悪い」と言わざるを得ない。下手をするとソースによってはLameを使ったmp3と同程度の音質と思えるものもあった。著作権云々を気にするならばmp3でエンコードするという手もあるだろう。
と、ここまではあくまでもシビアな評価の話だ。このあたりは考え方が分かれるところだろうが、この手のものはまず第一に気軽に使えるということが重要だ。そう言う意味では多少の音質の劣化には目をつぶり、前述したように64kbpsから128kbps程度にビットレートを落として転送するのが良いだろう。だがATRAC3Plusの48kbpsだけはどうしてもお勧めできない。このビットレートを使うのであればモノラルのmp3でエンコードした方が良い結果が得られると思われる。ラジオなどを長時間放り込みたい人はモノラルでmp3の48kbpsがお勧めだ。
このミュージックプレイヤーを使用するに当たり、私はKingStone製1GBのminiSDメモリカードを6600円で手に入れた。このカードはそれほど高速な部類のものではないが、快適に使用できている。もちろん1GBのメモリカードは京セラの動作保証外で自己責任にはなるが、本気で使い込むならば1GBのメモリカードの購入をお勧めしたい。今まで使っていなかったものでも、いざ使い始めるとどんどんメモリ容量は減っていく。1GBならば128kbpsで転送しても16時間程度は入る。
ごく細かいところでいくつか改善を要望したい点はあるが、ひとまずお勧めできるプレイヤーである。
ウィルコムWX310K、ミュージックプレイヤーファーストインプレッション [ウィルコム]
WX310Kのミュージックプレーヤーを指折り数えて待ちくたびれた人も多いだろう。待つのは慣れているウィルコムユーザーではあるが、お約束といわんばかりに本体の発売から時間が過ぎた。
今回紹介するミュージックプレイヤーは、昨年11月下旬に発売されたウィルコムのPHS、京セラ製WX310Kに追加アプリケーションという形で提供されるものだ。発売前からミュージックプレイヤー機能の搭載はアナウンスされていたが、今日ようやくその約束が果たされたということになる。
WX310Kには他機種のようにJavaアプリ機能はなく、この本体のプラグインのように提供される。公式サイトからソフトをダウンロードするとメールが送られてきて、音楽転送用のソフト「BeatJam for WX310K」の使用権が与えられる仕組みだ。BeatJam自体はジャストシステムが単体で音楽管理ソフトとして発売しているものを、本機種用にカスタマイズしたものだが、メニュー構成などわかりやすく非常に使いやすい。その分機能も絞られており、まさにWX310Kに音楽を転送するためのソフトといえる。
オフィシャルの案内にはないが、WX310Kに音楽を転送する際に、ソニーが提供するSonicStage等も使用できる。いずれもフリーで提供されているものなので自分の使いやすいものを探して使うのも良いだろう。
ただし一度はこのBeatJamをダウンロードしインストールする必要はあるようだ。
■必要なもの
このミュージックプレイヤー機能を使用するにはWX310K本体、PC本体、そしてPCと電話機をつなぐためのUSBケーブル、そしてminiSDメモリカードが必要だ。
PCは持っていることを前提とする。USBケーブルもWX310K購入時に付属しているものを使えばよいだろう。
他に必要なのがminiSDメモリカードということになる。
今回このミュージックプレイヤー機能を使用するために購入したminiSDメモリカードは、KingStoneの「SDM/1GBFE」だ。型番から分かるとおり1GBのモデルだ。KingStoneのメモリは京セラの動作確認を得ていないばかりか、512MBのものしか保証されていないので、あくまでも自己責任と言うことになる。結論から言うと私の環境では問題なく使用できた。このカードをさしたことによって他の動作が遅くなったという感覚はない。またバッテリーの保ちが悪くなったと言うことも体感できていない。
miniSDのデータフォルダーにアクセスするときに約2秒、そしてデータの一覧を表示させるときにも約2秒程度の待ち時間がある。サムネイルの表示もそれほどもたつく感じもない。公称では読込 7.85MByte/sec 書込 5.5MByte/secだそうでトランセンドやパナソニックなどの高速モデルにはかなり及ばないが、すくなくともWX310Kで使う分には問題なさそうだ。
なにより、1GBで6600円という価格の前には何も文句は言えない。
■注意事項
ミュージックプレイヤー機能を公式サイトからダウンロードする際は、かならず接続先をCLUB-AIREDGEにすることだ。私は高速化サービスでオンとオフの電話番号をそれぞれ登録して、切り替えて普段インターネットに接続しているが、これが高速化オンの電話番号でダウンロードしてしまうと、きちんと本体に追加アプリケーションはインストールされない。その状態でもBeatJamのダウンロードは出来てしまうので、注意が必要だ。この状態ではBeatJamを起動しても転送が出来ない。
■使用感
音楽データはBeatJamなりSonicStageなりでCDやオンラインストアで購入したデータをプレイリストで表示させ、PCと電話機をつなぎマスストレージモードで転送ボタンをクリックするだけだ。
転送に要した時間は70分の音楽CDを160kbpsのmp3にしたものを約3分で出来た。個人的には思ったよりずっと早い。
転送したデータは電話機のメニューからミュージックプレイヤーを選択し、決定ボタンを押せば再生される。曲送りや戻しもワンボタンだ。もちろん閉じた状態でも再生できるし、曲送りや頭出しもできる。
再生できるファイル形式はソニーのミュージックプレイヤーを使っている人ならばおなじみのATRAC3Plus、ATRAC3、そしてmp3の再生も可能だ。可能なビットレートもちゃんと32kbps ~ 320kbpsをカバーしている。
■雑感
他社では当たり前になっている音楽再生機能だが、ようやくPHSでも使えるサービスが出てきたのは感無量だ。
ウィルコムはDDIポケット時代、feelH"で音楽再生機能を搭載させたが見事に失敗した。
当時は32MBのメモリカードガ1万円を超える時代、再生時間もお世辞にも長くなかった。もちろんインターネットで音楽を購入するインフラも今とは比べものにならない。
PHSに外付けで供給されていたメモリオーディオやBluetooth、そしてカメラ。それが今や一つの本体にはるかに高性能になって収まっているのだから、進歩は凄まじい。
明日は実際にプレイヤーとして使い込んだ感想を記したい。
ウィルコム、WX300KとWX310SAに新色追加 [ウィルコム]
"ウィルコム、WX300KとWX310SAに新色追加"
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/27810.html
ランキングによっては最も今売れているWX300Kと、本来ハイエンドなウィルコム定額プランユーザーに向けたであろうWX310SAに新色が登場する。
両機種とも発売開始は2月24日。
ウィルコムの端末でこれほど早い時期に新色が登場することはあまり例が無いように思うが、3月4月の入社・入学・引っ越しシーズンに向けてラインナップが増えるのは、これからウィルコムに入るユーザーにとっても嬉しいところだろう。
追加される色はWX300Kがフローラルピンク、WX310SAがグレイスフルホワイトだ。
WX300Kフローラルピンクは、既にあるパールオークルに近いが、端末を開いたときも淡いピンクがベースになっており、かなり通話定額を主とした女性向けを意識していると言える。
WX310SAグレイスフルホワイトはiPodを思わせるような、高級感と雰囲気。元々WX310SAのデザインは秀逸だと思うが、それを引き立たせている。
後は、WX310SAの値下げだろう。やはり、定額プランを検討するような人にとっては20000円前後という価格は、他社と比較すると高すぎるように思う。例えば2年間契約を前提として端末価格を5000円割り引くとか、そうしたテコ入れが必要なのではないだろうか。
ウィルコムの加入者が大幅増加している [ウィルコム]
"ウィルコムが8万増、携帯キャリアの純増数に迫る勢い~1月契約者数"(ITmedia)
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/mobile/articles/0602/07/news051.html
電気通信事業者協会の発表によると、2006年1月のPHS契約者数は80200人増え、373万人に達した。
2004年の1年間で増えた契約者数が約58000人であるから、この数字がいかに好調であるかおわかり頂けるだろう。
DoCoMoの約13万人、KDDIグループの約11万の増加と比較してもそれほど遜色のある数字ではない。ボーダフォングループの増加数17600人をはるかに凌駕する。
好調の原動力は何と言っても、月額2900円のEメールと通話の定額プランだ。それに加えて未だに売り切れる店舗もあるW-ZERO3の存在も大きいだろう。
だが、ここに来て他社と比較し、エントリー向けのモデルの少なさや(ウィルコムストアで購入できるのはWX300KとAH-J3003S、AH-K3002Vの3機種。)、新規も機種変更も割高な点が露呈してきている。せっかく定額プラン目当てで携帯電話から変えようと思っても、WX300Kが9800円、AH-J3003Sですら6090円では、二の足を踏んでしまうだろう。過去の反省からあまり端末を安売りしないという姿勢はたしかに理解できる。端末の安さは結局通話料に反映させざるを得ないからだ。だが、とりあえず使って貰わないことには話にならない。
また昨日から続いているEメールの遅延も気になる。せっかく伸びてきているこの時期に、これほどの長時間の障害はまずい。早急に対策を講じ、復旧後誠意ある対応を望みたいものだ。
ウィルコムには今度PHSが使えないというイメージが定着したら、もう立ち直れないくらいの気概で頑張ってもらいたい。
PHS高度化通信規格「W-OAM」対応端末3機種発売 [ウィルコム]
(21:35追記)
■ウィルコムは27日、新しいPHSの高速通信規格「W-OAM」など新サービスを4つ発表した。
1、1x契約で2xの速度が利用可能に
ウィルコムでは音声端末でもデータ通信専用端末でも最も低速なデータ通信は1X(32kbps)だった。現状では「つなぎ放題1x」とウィルコム定額プランのオプションである「リアルインターネットプラス[1x]」がそれに相当する。それが料金据え置きで2xに高速化される。対応端末をここで全て紹介はしないが、要は4xの速度も出せる端末が対象となる。従って昨年以前に出ている多くの音声端末では1xのみの対応のものがほとんどなので、1xのままとなる。音声端末だけに限って言うとWX310シリーズと、W-SIM、AH-J3003S(この端末のみPC接続時のみ)となる。エントリー向けのWX300Kは対応しないので注意が必要だ。対応端末を見る限り、これは企業戦略上というよりは単にハードウェア上の問題と思われる。
2、新たに8PSK/BPSKという変調方式の導入(1xの通信速度が最大32kbps→51.2kbpsに)(W-OAM対応端末のみ)
ウィルコムというよりはPHSはサービスを始めた当初からQPSKという電波の変調方式でデータのやりとりを行ってきた。これに加えて8PSKとBPSKという二つの変調方式が導入される。
8PSKは電波状況が良い場所になるとこの変調方式に切り替わり、QPSKでは1xで32kbpsの通信速度が最大だったのが最大51.2kbpsに高速化される。変調方式は端末が電波の入り具合を判断し、自動で切りかえが行われる。どの程度の電波状況ならこの方式になるのは不明だが、更に電波状況が厳しい方式が後に控えているということを考えると、都心ではかなりのエリアがこの8PSKになるのではないかと期待している。
BPSKは逆に通信速度は1xで13kbpsに低下する。その代わり従来は圏外になって全くデータの送受信が出来なくなっていたようなところでも通信を行えるエリアが拡大する。理論値ではなく実際にどのくらいのエリアが拡大するのかは不明であるが、圏外エリアが少なくなるBPSKは、かなり期待できるのではないだろうか。
W-OAMは対応端末と最新式の基地局が揃ったときしかサービスを享受することは出来ない。今回発表されたのはデータ通信端末のみだが、音声端末やW-SIMでの対応が早期に望まれる。
3、上記2(W-OAM)に対応したデータ通信カード3機種を発売)(内1機種がPCカード、2機種がCFカード)
発表されたのはNECインフロンティアから「AX520N」と「AX420」、セイコーインスツルからAX420Sの3機種である。
AX520Nは8xとなるAIR-EDGE[PRO]に対応した唯一の通信カードとなる。その代わりType II準拠のPCカード型となっており、PDAなどではおそらく使用できないだろう。外観は前機種に当たるAX510Nを踏襲している。寸法や重量などは同じだが、消費電力が平均で約1割も少なくなっている。8xの通信はPHSにしてはかなりの電気食いだったのでモバイルユーザーには嬉しい改良といえる。当然W-OAMに対応しているため、従来機では最大256kbpsの通信速度だったが、AX520Nでは408kbpsが最大となる。実際に理論値近くの速度が出続けるならば、ImpressTVの様な300kbpsの動画も見られるようになることになる。
AX420Nは4xまでの対応となる。しかしAX520Nと異なり半分以下の重量となるCFサイズを実現している。AX420Nには360℃稼働するアンテナが搭載されている。このアンテナはある程度弾力がある素材で出来ており、折れにくくなっている。CFサイズの通信カードのアンテナはモバイルすることが前提であるためと言うこともあり結構折れることが多いらしい。PHSの通信カードはかなりアンテナによって受信状況が変わるので、重要なポイントといえる。
AX420SはAX420Nと同じCFサイズの4x対応通信カードだ。カタログスペック上の消費電力はややAX420Nより高いが、アンテナを一本たてるタイプではなく、両端が手提げ袋のように固定されているタイプなので、折れにくい印象を受ける。個人的にはこちらのデザインの方が好みだ。ただPHS通信カードは電波の入りやすさが重要であり、このあたりの比較情報が待たれる。
CFカードの2機種は4xまでではあるが、W-OAMに対応しているため、最大速度は128kbpsではなく204kbpsとなる。また従来の1xでの契約は2xに増速するため102kbpsとなる。つまりは従来1xで契約していたユーザーは1x→2x化の恩恵とW-OAMの恩恵を両方受けられるため32kbpsが102kbpsと約3倍の速度を得られるようになる。また4xの契約になると従来のAIR-EDGE[PRO]に近い速度が得られるようになる訳であり、実質上の料金値下げともいえる。
4、PRINの高速化導入(パケット通信の最適化)
これは通常のインターネットの通信プロトコルであるTCPプロトコルを、ウィルコムの無線通信に最適化するW-TCPに置き換える。これにより通信エラー時が起きたときパケットロスを無駄に再送信することがなくなるとされる。おそらく移動時や電波状況が良くない場所での通信速度の低下をある程度防ぐのではないかと思われる。
"408kbpsの高速通信規格も登場!――ウィルコム、データ通信サービスの高速化/快適化プランを発表"(ASCII)
http://k-tai.ascii24.com/k-tai/news/2006/01/27/660217-000.html
"料金据え置きで通信速度を3倍に――ウィルコム"(ITmedia)
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0601/27/news051.html
"データ通信サービスの高速・快適化について
~PHS高度化通信規格「W-OAM」の導入~"(ウィルコムプレスリリース)
http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2006/01/27/index.html
"ウィルコム、高度化PHS規格「W-OAM」発表"(ケータイwatch)
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/27524.html
"2006年のウィルコムは「ADVANCED & COMFORTABLE」"(ケータイwatch)
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/27537.html
"W-OAMに対応したCF型データ通信カード「AX420S」の発売について"(SIIニュースリリース)
http://speed.sii.co.jp/pub/corp/pr/newsDetail.jsp?news=1249
"「W-OAM」に対応した端末「AX520N」「AX420N」の発売について"(NECインフロンティアニュースリリース)
http://www.necinfrontia.co.jp/company/press/2006/060127.htm
"「データ通信サービスの高速・快適化について"(memn0ck)
http://www.memn0ck.com/log20060127.html
"1xで2x接続が公式に!"(WILLCOM NEWS0)
http://blog.willcomnews.com/
"今日はウィルコムニュースすごいかも?"(なおっきのぶろぐ)
http://naokki.com/etc/mt/archives/airedge_phone/index.php
"増速プレスリリース "(29a TODAY)
http://blog.goo.ne.jp/kunihiko1981/e/b0825e9dffec1eb04f0d2b11b2f23fac
"ウィルコムが408kbpsデータ通信端末を発表"(FMOBILE)
http://www.fmobile.org/fmobile/2006/01/408kbps_b595.html
1Xが2Xに?ウィルコムWX310Kの通信速度が向上??その2 [ウィルコム]
昨夜、ウィルコムのデータ通信速度についての記事を書いたが、その後スピードテストで速度を調べてみた。
参考URL:"あれれ?WX310Kの通信速度が・・・"(なおっきのぶろぐ様)
http://naokki.com/etc/mt/archives/2006/01/wx310k_11.php
契約は「つなぎ放題1X」、端末はWX310K。高速化サービスはなしとありでそれぞれ測定している。アンテナバーは5本(短時間4本になることもあり)。
測定に使用したサイトはおなじみのhttp://www.musen-lan.com/speed/だ。
CLUBAirEDGE経由で接続先を##61と##64で交互に測定。
5セット測定を行った。
結果は以下のとおり。
高速化なし |
##61 |
##64 |
高速化あり |
##61 |
##64 |
1試行 |
26.76 |
42.20 |
|
141.88 |
242.63 |
|
26.46 |
38.87 |
|
165.53 |
174.26 |
|
26.41 |
32.63 |
|
171.23 |
197.31 |
|
26.44 |
43.75 |
|
178.77 |
203.65 |
2試行 |
26.62 |
43.90 |
|
165.44 |
218.09 |
|
26.50 |
43.20 |
|
155.07 |
179.75 |
|
26.37 |
42.89 |
|
155.07 |
184.22 |
|
26.43 |
43.68 |
|
156.27 |
185.76 |
3試行 |
26.70 |
44.29 |
|
146.59 |
176.30 |
|
26.18 |
44.71 |
|
135.22 |
144.40 |
|
25.89 |
44.38 |
|
133.60 |
157.09 |
|
26.15 |
41.49 |
|
136.89 |
204.08 |
4試行 |
26.75 |
41.85 |
|
190.99 |
253.22 |
|
26.72 |
37.24 |
|
155.45 |
189.78 |
|
26.53 |
44.03 |
|
161.34 |
205.96 |
|
26.30 |
44.32 |
|
141.93 |
209.82 |
5試行 |
26.92 |
42.75 |
|
149.79 |
259.84 |
|
26.76 |
43.87 |
|
131.62 |
195.16 |
|
24.91 |
41.48 |
|
138.59 |
205.96 |
|
26.57 |
42.29 |
|
139.46 |
205.48 |
平均 |
26.42 |
42.19 |
|
152.54 |
199.64 |
特に分散やP値といった統計値はもとめず平均のみであるが、有意に##61と##64の設定で差があるといって良い結果になっていると思う。
個人的には大ニュースなのだが、なおっき氏が指摘しているとおりあまり話題になっていないのは1Xの契約者があまり多くないと言うことなのだろうか。
1Xが2Xに?ウィルコムWX310Kの通信速度が向上?? [ウィルコム]
ウィルコムのデータ通信は1X=32kbpsを基本として、4X=128kbps、8X=256kbpsのサービスがある。私は4Xになるデータ定額ではなく、1Xのつなぎ放題コースを契約している。
今週に入ってから、ヤケにネット閲覧が早いと思っていたらネット上でどうも1Xが2Xの速度で繋がっているらしいということが噂されていた。それを受けて、高速化サービスをオフにした状態で複数の速度測定サイトで計測してみたところ40kbps台で繋がっているという結果が出た。確かに通常の倍の速度で繋がっている。
先週末、ウィルコムの新年会で社長が1Xの基本速度を従来の32kbpsから通信状態により51.2kbpsに増速するという話があったそうだ。その事と関係するのか、それとも1Xが2Xで繋がるように基地局のファームアップが行われたのか公式の発表が待たれるところだ。
参考記事
"あれれ?WX310Kの通信速度が・・・"(なおっきのぶろぐ)
http://naokki.com/etc/mt/archives/2006/01/wx310k_11.php
ウィルコムの料金割引で思うこと [ウィルコム]
週末に仕事が集中してしまったことと、風邪を引いてしまったおかげで昨日一昨日とネット落ちして睡眠を取った。仕事以外は全く外出しなかったので、機種変更したばかりのWX310Kに触れる時間も多かった。
さて現在私はウィルコムを2回線契約している。緊急の仕事で使用する以外は全く触っていない。メインのWX310Kを「つなぎ放題1X」で契約し、もう一回線は「標準プラン」で契約し、データ割引とA&B割、長期割引を併用している。月に何度かPCで接続する機会があることと1Xの速度にそれほど不満もないので(というよりはあまり4Xに期待していないので)、「データ定額」や「つなぎ放題4X」には申し込まなかった。従って2回線ながら月額6000円程度で収まっている。周りにウィルコムユーザーが増えてきたら「データ割引」をキャンセルして、副回線を「標準プラン」からウィルコム定額プランにすれば+1000円程度の出費で対応できる。
こんな面倒なことを考えなといけないのは、最近追加された料金プランに長期割引等の各種割引が効かないからだ。マルチパックやデータ定額は新規ユーザーにはかなり割安なプランだが、私のように2回線とも3年以上使用している年間契約ユーザーだと、自分の使い方によっては割高になってしまうことがある。全キャリア中最も長期利用ユーザーを冷遇しているといわれても仕方のないことだ。
ドコモのように50%割引とまでは言わずとも、せめて5年以上利用のユーザに対しての割引率の増加と、マルチパックやウィルコム定額プランなどの割引も検討して貰いたいものである。
WX310Kを購入した [ウィルコム]
あれだけ発売前にこのBlogで大騒ぎしていたウィルコムの新端末。発売から1ヶ月半経ち、ようやく機種変更を行った。
今更ではあるが、何回かに分けて基本に戻り端末の使用感などを紹介する。今回は購入から2時間程度触ってみた時点のインプレッションだ。
●外観
購入した端末のカラーはシルバーである。一見してAH-K3001Vより一回り大きくなった。重量は見た目ほど重くはないが、やはりAH-K3001Vと比較すると重い。何だかんだ言ってAH-K3001Vのデザインと性能のバランスはここ数年来の端末でもかなりの出来なのだと再確認した。大きくなった分というわけでないが、端末の質感は向上している。特にサブ液晶やカメラ部分が収まっているアルミの削りだしのパネルはワンポイントとしてかなり良いのではないかと思う。これが周りと同じプラスチックであれば、もう少し重量は軽くなるのであろうが、端末全体にチープさが漂ってしまうだろう。
USB端子が収まっているフタは、従来に比べてかなり頑丈に出来ている。使い始めた一番最初は、フタを開けるのに手間取ったが、なれてくるととても扱いやすい。このあたりはかなりユーザーの声を反映したものと思われる。同様にminiSDスロットも扱いやすくなっている。
サブディスプレイは従来通り一行のモノクロ液晶だが、メニューでコントラスト比を変えられるようになり視認性が向上した。従来のモデルでも見にくいと言うことはなかったが、比べてしまうと改良したということが判る。
端末を開けると2.4型のQVGA液晶が飛び込んでくる。やはり2.4型はでかい。いまや2.4型のQVGA液晶は珍しくないが、現状では最適であると思う。
ボタンは面積が大きくなり押しやすくなった。端末が大きくなったため指の移動距離は増したのだが、それをうまくカバーしている。右側面にもサイドボタンが追加された。
●メニュー
デフォルトのメニュー画面が従来の薄いブルーを基調としていたのに比べて、今回は黒のバックに白抜きの文字になっており非常に見やすい。現在は明るさの設定を1にして使用しているが明るさは十分だ。5にすると私には明るすぎる。電池の保ちを気にしなければ2~3が私には丁度良さそうだ。フォントはおそらくAH-K3001Vと同じNECのスケーラブルフォントを使用している。40%の大きさでYahoo!のトップページのリンクが読めるのは流石だ。
噂通り、動作速度は大幅に改善されている。まだ前の機種のクセが抜け切れていないのか、ついボタンを一回一回ゆっくり押してしまっていた。WX310Kの関しては、速い動きでもとくにボタンの取りこぼしはほとんどない。特にメールの作成時にもたつかなくなったのはありがたい。本来はこれが当たり前なのだろうが、慣れというものは恐ろしい。
メールの文章を入力するときの変換に関しては、若干賢くなった。だが、ATOK使いとしてはもう少し頑張って欲しいところ。メールの送信は、本文作成のすぐしたにボタンが追加された。こちらの方がわかりやすい。
メニューの中身は、昨日の増加分項目数は増えたが、基本的な並びなどはAH-K3001Vと同じであり、このあたりは移行しやすい。カスタム機能がマイオリジナルに改められデフォルトの項目がなくなり、完全に自分で追加するようになった。私が使いこなせていないだけかもしれないが、カメラやムービーの起動についてマイオリジナルに登録できないのは改善されないだろうか。
●Web
WX310Kのメイン機能といえるブラウザ機能だ。相変わらずOperaが搭載されている。拡大縮小の%が細かく、しかも縮小については30%まで10%刻みで選べるようになったのはかなり嬉しい。しかも拡大縮小率の変更はサイドボタンで行えるようになっている。私は1Xのつなぎ放題コースに高速化サービスを使っているが、あきらかにレンダリングも文字の読み込みも速くなった。
今まで「ページを表示」→「データを読み込みきる前に中止」→「スクロール」という動作を行うと端末がフリーズしたかと思うくらい、数秒から下手をすると10秒以上スクロールやカーソルの移動ができなくなった。データを読み込んだ状態でも、データ量の多いページではスクロールやカーソル移動がもたついたり取りこぼしが起きたり、しばらくとまったあと一気に処理が続けて行われたししていたが、そのあたりの問題点はほぼ解決している。さすがにデータ量が多いページでは若干動作が遅くなるが、個人的には問題のない範囲だ。
またページの履歴が見られるようになったり、履歴に移動できるようになったり、全画面表示でサイトの表示ができるようになったりと細かいところで改善が見られる。特に全画面表示については、液晶の大型化と相まってかなり一度に表示できる情報量が増した。今までAH-K3001Vでは80%表示だったのが、60%表示にした上に全画面表示で使うようにしているので、倍近いといって良いほどの情報量だ。また、従来機ではデータ量の多いページは表示しきれずに、切れてしまうといったことがあったが。そのあたりの上限も改善されているようで、いまのところ表示できなかったサイトは無い。
●Flash
よく行くサイトのサイドメニューにFlashが使われており、従来機ではもちろん表示ができなかったのだが、WX310Kではきちんと表示された。またFlash内のメニューも一度そのFlashをクリックし、その後フォーカスOnすることでメニューの選択まで行うことが出来た。
●カメラ
一応付いている程度のAH-K3001Vのカメラ。画素数もさることながら非常にノイズが多く、特に暗い室内では絶望的な画質だった。WX310Kでは11万画素がメガピクセルカメラになり、マクロモードや撮影シーン切り替えなどにも対応するようになった。結論から言うと画質自体はさほど向上していない。だが辛うじて使えるようにはなったというのが印象だ。ただQRコードも読めるようになったという点に関しては大きな改善が見られたと言えるだろう。QRコードで撮影し、それをすぐにフルブラウザで確認できるというのはウィルコムの強みだ。QRコードで撮影したデータのURLはもちろん直にブックマークに登録できる。
●ムービー
240X176ドット、15fps、mpeg4形式で動画の撮影が行える。ファイル形式は3gpか長時間モードのみ3g2になる。再エンコードすればSo-netのblogにも投稿できるのではないかと期待している。画質の方はまったく期待できないが。
●まとめ
使い出してまだ2時間ほどなので、機能をざっとなぞっただけだ。だがかなり満足度は高い。型番こそ全く異なっているがAH-K3001Vでの不満点をよく潰して行っているというのが伺える。細かいところを言い出すともちろん不満点はでてくるのだろうが、現状では気にならない程度だ。今日は本体のみ購入し、BluetoothのヘッドセットやminiSDカード等は購入していない。miniSDカードはトランセンド製のものを購入することに決めている。最後の目玉であるミュージックプレイヤーが実装されてからゆっくり購入するつもりだ。トランセンドに限ったことではないがSDメモリはじりじりと値下がりを続けている。512MBのものは5千円を既に割り込み、1GBもそのうち平均価格で1万円を割り込むであろう。Bluetoothのヘッドセットに関しても現状で、AH-K3001V用に買ったヘッドセットマイクがあるので、変換コネクタをつかい暫く使うつもりだ。Bluetoothのヘッドセットもこれからまだ安くなるだろうし、なにより種類も増えてくるだろう。
家電的に言うとけしからんのであろうが、PCライクに考えると機能向上の余地があるというのは楽しい。ソフトウェアのアップデートで動画再生のファイルサイズの上限が撤廃されたり、ミュージックプレイヤーやデータビューアーを後からダウンロードしたりと、今後にも期待が持てる。WX310Kに使用されているCPUの性能を考えるとまだまだこの端末が成長する余地もありそうだ。
斜陽から日なたへ、PHSの奮闘 [ウィルコム]
"ウィルコムの加入者数、過去最高を記録"(ITmedia)
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0601/11/news076.html
先日2005年末時点の契約数がTCAより発表された。それによると、PHS・携帯電話の加入者数の合計は9000万台を超えた。流石に市場は飽和状態といわれながらもう何年も経ち始めているが、未だに携帯電話の契約台数は一ヶ月当たり数十万単位で伸び続けている。
さて、なかでも検討しているのがウィルコムだ。2005年2月にDDIポケットtからウィルコムへと社名変更した月末の加入者数は2,998,200件だったが、2005年末には3,651,000件となった。わずか11ヶ月で20%以上の加入者を増加させている。年間では純減となったボーダフォンを抑えドコモ、KDDIに次ぐ増加数となっている。
斜陽の技術と呼ばれたPHS。1995年7月の開業。それから3年後の1998年7月に3,617,000件を記録したのをピークにじりじりと加入者は横ばい状態と純減状態を続け、2004年2月には2,890,000件にまで落ち込んだ。だがその時期を機にじわじわと加入者を伸ばし、2005年2月にKDDIグループから離れ、同年5月に同社間のPHS通話料金と他社も含めたEメールの送受信が月額2900円で定額になるサービスを開始してからは毎月6万件以上の純増を記録するようになっている。
エリアが狭いという弱点を地道に潰していき、他社にはないサービスを行った結果がようやく実を結んだと言ったところだろう。
だが、今年の後半には携帯電話の番号を変更せずに会社を変更する番号ポータビリティが始まるし、来年から再来年にかけてはソフトバンク、イー・アクセス、アイピーモバイルの3社が新規参入事業者として携帯電話事業を開始する。当然その頃には音声定額は大きなアドバンテージとは言えなくなっているだろう。
これだけ高音質で低電磁波な規格はPHS以外には存在していない。これは第三世代、第四世代の携帯電話になっても大きなアドバンテージとして残るはずだ。とはいえ携帯電話に求められているのは、高機能な端末であったり、ICカードの機能であったりその他のインフラとしての役割も大きくなっている。PHSがそうした携帯電話に求められている機能を無視して事業を続けていくことはかなり難しいだろうと思う。携帯電話の2台持ちはあくまでも過渡期の話であるようにも思う。
契約者数が伸び続けているのは、PHS使いとしては嬉しいことだが、来年も再来年も好調を続けていって欲しいものである。