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WX310Kミュージックプレイヤー使用感 [ウィルコム]

はじめに

 WX310Kにミュージックプレイヤーが追加されて実際に屋外や移動中で使ったり自宅のヘッドホンなど使いこんでみた。今回は全体の使用感や、ATRAC3Plusを中心にビットレートの違いによる音質の差などをお伝えしようと思う。聴いたジャンルは1曲が女性ボーカルのポップス、もう1曲が小編成の弦楽アンサンブル、もう1曲がフュージョンだ。

 再生にはオーディオテクニカの平形-ピンプラグの変換ケーブル「AT3A30T/0.6」を使い、AKG 「K240S」とゼンハイザー 「HD 580」を用いた。また参考として外出用を想定してその辺に転がっていた2000円程度のポータブルヘッドホンを使っても視聴した。

 もちろんだが、この結果は私の個人的な感想である。音楽についての好みや使うヘッドホン、また個人の音質の感覚は各々違ってくるのは当然なので、あくまでも参考程度に思っていただければ幸いである。

■全体の使用感

 何しろあの京セラ製のソフトウェアと言うことで、ある程度の使いにくさを覚悟していたのだが、動作も特に遅くなく操作の仕方もわかりやすい。また転送時に指定したアーティストやアルバム名、ジャンル名などによるリスト表示が可能で、そのリスト単位での音楽の再生も可能となっている。

 イコライザはあくまでもオマケ程度と考えて良い。一曲のリピートやリスト単位のリピート、シャッフル再生もあり再生方法に関しては、必要最低限の機能は備わっている。

 曲の早送りは私の環境だと実時間の7~8倍程度の速さで送りが可能だ。5分程度の曲ならば十分だが、1時間単位の録音したラジオなどを途中から聴こうとすると骨が折れる。一気に時間を指定して曲の途中から聴くことができるような機能が追加されれば良いと思った。

 音質についてはヘッドホンで聴く限り十分及第点を与えられると思う。高いビットレートできちんとそれなりのヘッドホンで聴けば、低音域は落ち込むものの、ポータブルCDプレイヤー等で,mp3を再生するのとそれほど遜色のない結果が得られる。むしろ下手なパソコンのオンボードサウンドカードにヘッドホンを直差しするよりも周波数特性は自然だし、S/Nも悪くない。もちろんきちんとしたオーディオ機器と比べると総合的な再生能力は落ちるが、この手の機器としてはかなり健闘しているのではないか。個人的にはこれならメインでの使用に耐えうると思う。

 ここからはATRAC3Plusで、同一の音楽ソースを再生したときの差を紹介したいと思う。私もmp3の音質についてはある程度経験があるが、今回このコーデックを使用するのは初めてだった。これから私のように初めてATRAC3Plusを使う人の参考になればと思う。

 ●48kbps

 出だしの音で圧縮された音楽だと言うことが分かる。圧縮されたときに一般的に劣化がわかりやすいシンバルやストリングス等の音だけではなく、鳴っている音全体が歪んでおり、その音自体もスカスカな印象だ。個人的にはちょっと聞き続けるのは厳しい音質だ。

 ●64kbps

 このあたりでも5秒も聴いていれば圧縮の際に劣化したところが至るところで耳につく。WX310K自体の内蔵スピーカーでは気にならない程度にはなるが、ヘッドホン経由ではまだ音楽としては破綻している印象だ。楽器の定位が、本来あるべき場所からずれたところから聞こえたり、バランスもかなり悪い。2000円ヘッドホンでも音質の悪さは十分分かってしまう。

 ●96kbps

 ようやく圧縮された音楽特有の金属が擦れたような音は減り、鳴っている音自体に芯が通るようにはなっている。だが、アコースティックギターのカッティングや、バイオリンの音などはまだシャリシャリとした音がする。音自体にはボリュームは出てきている物の、前後の定位感を感じられるほどではない。このあたりから2000円ヘッドホンでは十分使用に耐えうる音質と感じられる。

 ●128kbps

 個人的にヘッドホンで音楽を聴く場合として妥協できるのはこのあたりの圧縮率だ。確かにATRAC3Plusは、mp3より圧縮音楽特有のシャリシャリとしたノイズは少ないが、音楽的に迫力や空気感を付与するための周波数バランスや、定位感を表現するのがAAC等のコーデックに比べると随分苦手だという印象を受けた。聞き込んだ音楽だとジャンルによっては圧縮された音を不快に感じてしまうことがある。

 ただしメインのヘッドホンでは音質がオリジナルより劣化していることは分かるが、2000円ヘッドホンでは私には音の劣化について判別がつかない。

 ●160kbps

 これ以上のビットレートになるとWX310Kのハードの限界か、メインのヘッドホンでもよほど聞き比べないと、よりオリジナルに近い200Kbps以上のビットレートと差が分からない程度になる。外で聴く分には十分な音質といえるだろう。

■結論

 多くの他氏がネットで評価しているように、同ビットレートではATRAC3PlusはAACやOGGに比べると総合的に「音が悪い」と言わざるを得ない。下手をするとソースによってはLameを使ったmp3と同程度の音質と思えるものもあった。著作権云々を気にするならばmp3でエンコードするという手もあるだろう。

 と、ここまではあくまでもシビアな評価の話だ。このあたりは考え方が分かれるところだろうが、この手のものはまず第一に気軽に使えるということが重要だ。そう言う意味では多少の音質の劣化には目をつぶり、前述したように64kbpsから128kbps程度にビットレートを落として転送するのが良いだろう。だがATRAC3Plusの48kbpsだけはどうしてもお勧めできない。このビットレートを使うのであればモノラルのmp3でエンコードした方が良い結果が得られると思われる。ラジオなどを長時間放り込みたい人はモノラルでmp3の48kbpsがお勧めだ。

 このミュージックプレイヤーを使用するに当たり、私はKingStone製1GBのminiSDメモリカードを6600円で手に入れた。このカードはそれほど高速な部類のものではないが、快適に使用できている。もちろん1GBのメモリカードは京セラの動作保証外で自己責任にはなるが、本気で使い込むならば1GBのメモリカードの購入をお勧めしたい。今まで使っていなかったものでも、いざ使い始めるとどんどんメモリ容量は減っていく。1GBならば128kbpsで転送しても16時間程度は入る。

 ごく細かいところでいくつか改善を要望したい点はあるが、ひとまずお勧めできるプレイヤーである。

 


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