ブラス! [おすすめ]
10年近く前に、日本では単館系上演された映画。
1917年に炭坑夫の余暇活動として結成されたブラスバンド、グライムソープ・コリアリー・バンドの実話をヒントに映画化。炭坑閉鎖に揺れる街。人々は生きる希望を失いかけていた。そんな時、彼らに勇気と希望を与えてくれたのが音楽だった。炭坑夫の仲間たちで結成された伝統あるバンドは、街と自分たちの誇りを賭けて全英大会に出場し、決勝大会が開催されるロイヤル・アルバートホールを目指す。(Yahoo!ムービーより)
DVDが出ていたのは知っていたが、当初は結構な値段だったのでそのまま見送り、最近偶然安く再販されていたのを知り、購入した。
吹奏楽に詳しい金管楽器吹きなら、一度はグライムソープ・コリアリー・バンドの名は聴いたことがあると思われるが、この名門ブラスバンドを題材にした映画。いわゆる日本で言うブラスバンドはクラリネットやサックスなどの木管楽器が入っているが、英国式の本来のブラスバンドはコルネット系の楽器と、フリューゲルホルン、アルトホルン、バリトンホルン、ユーフォニアム、トロンボーン、チューバ、打楽器という約30人編成の形態をいう。
劇中の演奏は主役級を除いては実際のグライムソープ・コリアリー・バンドのメンバーが演奏しており、またその音楽の使われ方が絶妙で涙を誘う。いわゆるハリウッド映画的な派手さは無く、いかにもヨーロッパ映画的に淡々と話は進んでいく。閉鎖される炭坑が舞台となっており、時代背景や政治的な背景も暗い。話も途中は当然どん底までたたき落とされる。だが、この映画を見終わったときには、音楽が持つ力と、音楽を愛する人々の情熱とに拍手を送ることだろう。
音楽が題材の映画の中では、私が知る限り自信を持ってお勧めできるものの一つだ。長くなってきた秋の夜に、是非見ていただきたい。
吹奏楽やオーケストラ、ビッグバンドなどをやったことがない人でも感動できる映画だと思う。
2005-09-09 21:13
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先日はコメントをありがとうございました。
この映画は、当初からチェックしていて、映画館で見ました(笑)
決して甘くなく、持ち上げすぎでもなく、美化しすぎでもなく、深く心に響いてきました。この手の映画は難しいと思うのですが、日常の切り取り方、時代背景、人間臭さ、そして何より、音楽が国境を越え、人の心を動かす力を持つということ、これは真実だなぁ・・と思いました。
by 月うさぎ (2005-09-12 10:00)
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by Youkimu (2006-01-13 03:16)