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家庭用コンセントでインターネット、松下のHF-PLCとは [PC関連]

"家庭内電灯線で通信 -松下電器産業、HF-PLC(高速電力線搬送通信)プレス説明会"
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2005/09/30/015.html

 HF-PLC(高速電力線搬送通信)とは、家庭内のコンセント(電灯線)を用いADSLすら上回る、数十M~百数十Mbps以上の高速通信が可能な技術だ。コンセントとネットワーク家電(パソコンを含む)の間には携帯電話二つ分くらいの体積のモデムとLANケーブルがあればよい。モデムは北米では3月から発売され、100ドル台で販売されるという。もしこれから世界各国で量産されれば瞬く間に100ドルを下回る価格で提供されるようになるだろう。

 電力線通信はADSLのように電話局から遠いことで速度が低下したりしないし、光通信のように時間のかかる工事を行う必要もない。

 それでいて実測で数十Mbpsの通信速度を上下で出せる。

en060105-2-1.jpg

 そんな夢のような通信ならなぜ、日本でサービスをされないのか。これは現時点では国から認可が下りていないからだ。国から認可が下りないのは何故かというと、この電力線通信が使う周波数帯の他の通信に影響を及ぼす恐れがあるからだそうだ。

 電力線通信は文字通り電力線(電線)を使った通信だ。当たり前の話であるが、電力線は電気を供給するために作られたものであり、データ通信を行うために作られたものではない。データ通信を行うためにはそれ相応の電磁波が漏れてしまうのだそうだ。この漏れた電磁波がノイズとなり、同周波数帯の通信(ハム無線や短波放送)に影響が出てしまう可能性がある。日本でこの電力線通信が認可されるには、この影響が実質的に起こらないと言うことを証明するか、それが駄目ならばそれが可能なレベルまでモデムなどを改良する必要がある。

 現在松下や東京電力などが国に働きかけて今年中の認可を取る方向で調整しているようだ。無理矢理、話を通して他に悪影響がでてしまうのは困るが、技術的にそのあたりがクリアになるのならば、是非とも実現して欲しい。

 先月、パナソニックセンターへ行きこのHF-PLCの展示があったので案内の人に色々話を聞くことが出来たのだが、家庭内で電子レンジを使ったりタコ足配線が多かったりすると、通信速度が低下してしまうのだそうだ。ただ、パナソニックが行っている実験によると5、60Mbpsはコンスタントに出るくらいの速度で通信できているとのこと。また同軸ケーブルを使った電力線通信では100Mbpsを超える通信が出来ているとのことだ。

 屋外の無線通信ではWiMAXやHSDPA、屋内ではIEEE802.11n、そして固定通信ではこの電力線通信やSHDSLなど、今年は新たな高速通信規格から目が離せそうにない。


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色々問題あり

以下参考になるURLを記載しておきます。これらのページからも多くの参考となるサイトにリンクがあります。

http://jh3ykv.rgr.jp/mt/archives/2005/11/post_315.html
http://blog.radionikkei.jp/shabette/index.php?ID=112
http://www.sv15.com/net/plc/
http://carlife.carview.co.jp/User.asp?UserDiaryID=796752

航空、国防等の重要な無線通信や短波放送等への電波障害の恐れもあるけど、それ以外に元々高周波信号を流す構造に成っていない電力線に高周波を流すことは恐ろしいことを呼ぶのでは。
いくらユーザーの利便と言っても、既存の屋内配線網に下手な素人が工事しないとも限らないし・・・・ 万一、その際にPLCが原因で漏電遮断機が作動しなくなるとか、ブレーカーが誤動作するとか、他にも色々な要素が絡んで火災事故が出ないとも限らない。

それに某所に以下のような書き込みがありました。
よくよく読み返してみると指摘の通りです。

http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/kosoku_denryokusen/051222_2.html
の資料12-2を見て驚いた。

医療関係機器へのPLCの影響を懸念する越えに対し,なんと,

ご指摘の意見は、高速電力線搬送通信設備と医用機器の共存に関するものですが、本研究会は、高速電力線搬送通信と無線利用との共存に
ついて検討を行うためのもので、構成員もこの検討内容に応じたものとなっており、高速電力線搬送通信と他の電気機器との共存について検討を行う
ものではありません。
だということ・・・。

こういう懸念に対して真摯な対応をするのが「大人」だと思っていたが。PLC研究会が,人命よりもカネのために設置されたことを明言したんだね。
さすが,石油ファンヒータ事件を起こした会社が熱を入れるわけだ。


さらにパブリックコメントが締め切られたあとPLCからは多数のメーカーが撤退を検討している模様。
パナソニック社は,実験免許の不正使用でお上からお叱りを受けたと。

便利だというだけで有事や災害時になんのインフラ整備もなく通信設定可能な短波帯を潰してしまって良いわけがありません。技術基準を定めても外れている外国製品や、速度を上げる不正な改造がすぐ出てくることはたやすく想像できます。

アマチュア無線だけでなく、航空無線や国防関係の通信にも影響を与えかねないのです。
儲かる人達とその取り巻き?が推進に熱心。被害者に趣味のアマチュア無線家をトップにあげているのも作為的。
大事なのは遊び以外に使われている無線に対する妨害なのです。
趣味以外に使われている無線に対する影響を隠してアマチュア無線を表面に出す。自分がよければ他人はかまわないという最近の犯罪と共通した発想でしょう

ごり押ししようとする関西系のメーカーは何考えてんだか・・・・


現行の電波法では、無線局ではないPLCは、無線局からの電波の影響を受けても苦情を申し立てる事は出来ませんが逆に無線局に対して妨害を与える事は認められていません。
したがって航空、国防などのプロ通信はもとよりアマチュア無線局に対しての妨害は一切認められません。

ということで普及はしないと思いますよ
by 色々問題あり (2006-02-17 01:20) 

katz

>色々問題ありさん
なるほど。色々問題は含んでいると事は何となく聞いていました。メーカー側がなんとか共存状態で普及させたい一方で、それは今の技術では不可能だという既存の電波利用者で、折り合いは全然付いていないのですね。既存の電波に悪影響が無く、それでいてコンセントでも通信が出来るなどと言うのは虫がよすぎるのでしょうね。ご指摘ありがとうございました。
by katz (2006-02-17 21:56) 

Kimball

藤四郎のつぶやきですが......
ADSLが出現したときにも、某勢力があれこれいっておりましたな.... :-)
それと、ADSL普及後にその速度をあげる方式についてもなんだかんだと
ありましたな.... これこれこーで、妨害がひどいとかどうとか....
みーんなどうなったのでしょうか? \(^o^)/
by Kimball (2006-02-19 07:44) 

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