センター試験にみる機械に対する過信 [考えたこと]
"センター試験:ICプレーヤー不具合続発で文科相が陳謝"
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20060123k0000e040062000c.html
このBlogをご覧になっている人でセンター試験を受けた人がいて、なおかつプレーヤーの不具合に当たってしまった人がいたら、心情お察し申し上げたい。
実はセンター試験実施前に、今年から英語の試験のリスニングに各人一台ずつICプレーヤーを配布し、そのプレーヤーに入った問題をイヤホンで聴いて解答するということをニュースで知った。これを聞いたとき、絶対に問題が起きると思った。
不具合が無くなるよう再発防止につとめたいと文科相が謝罪したそうだが、今の仕組みであり続ける限り来年も少なからず問題は生じるであろう。なにしろ、センター試験の受験者は55万人もいる。ICプレーヤーの本体とイヤホンの故障を0にすることなどまず不可能だ。センター試験運営側によると機器はメーカー出荷時に全て故障がないか検査しているそうだが、出荷してから試験完了までに故障することも当然起こりうる。
ICプレーヤーは一度再生ボタンを押すと停止も巻き戻しもできない仕様だそうで、もし誤って機器が動作ししたり試験中に誤ってプレーヤーが地面に落下するなどして、リスニングできなくてもどんどん問題は先に進んでしまうという仕組みだ。機器の不具合等が起こった場合には再受験を認めるそうだが、この時点で試験の公平性は失われてしまう。
大勢の人間が参加する行為に、新たな機器の導入を検討することは良いと思う。技術が進歩することでなにか物事が効率的になるのであれば、それは進めるべきであろう。だが、55万台のプレーヤーに故障がないという前提で試験を行うというのはあまりにも過信しすぎではなかったか。
まあこんな試験を受けて大学に入っても、少なからず遊びに行く感覚の学生が多いのも事実なのだが。
センター試験そのものの制度や、入ってしまえば甘い大学の対応等、見て見ぬふりをして改革を避けてきたしわよせがこんなところにも来ているのかもしれない。
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